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書き綴る

ブルドッキングヘッドロックvol.19「Do!太宰」が、無事公演日程を終了、本日早朝まで打ち上げ続け、有志数名と再度太宰さんのお墓へ参り、全てを終えて今、これを書いています。


ありがとうございました。


徒然にいくつか。


長尺の芝居でした。それでも「ケモノミチ」よりは上演時間短かったんですけどね、今回。とは言えなんせ長尺で、また、「ケモノミチ」のような物語性の強い作品より、観ていただく皆様にずいぶんな集中力を求める性質の作品であった分、いつも以上に感謝の念に絶えません。よくぞ最後まで観てくださいました。ありがとうっていうか、おつかれさまでしたていうか。


太宰作品を読んでればもっと楽しめたかもという感想を、幾つかいただきました。確かにその通りと思います。これについてはもう、しょうがない。もし今度「太宰」をやることがあったら、予習してみていただくのもありだと思います。しなくても全然いいと思います。感じたままにお楽しみいただけるのが肝心。


楽しみ方が、人それぞれであるように、いつも作っているつもりです。


観客の皆様、三鷹市芸術文化振興財団の皆様、スタッフ、キャストの皆様への感謝はもちろんですが、最後まで、そっと見守り続けてくださった太宰さんにこそ、最大の感謝を。まあ、一日だけ、映像出なかったり、なんか誰かにイタズラされたかしら?と思う日もありましたが、なんせ無事でなにより。いつ怪我をしてもおかしくない、そんな、実はけっこうヘトヘトクタクタのキャスト陣でしたし、いつまでもヒヤヒヤしっぱなしの公演中でした。


太宰さん、ありがとうございました。またお会いできたら嬉しいです。ということは、お墓の前でも思いました。


打ち上げでは、珍しく真面目な話をたくさんした気がします。酔ってたんで確かではありませんが。若いキャストの多い作品だったんで、なおさらそういう話になるんでしょう。前途多難か、洋々か。私にひと様の行く末なんてわかりませんが、せっかくこういう作品だったんですから、みんなそれぞれが、いつまでもウンコひり出し続けてくれてたらなによりだなぁと思ったのでした。


そう言えば、いつもの作品の数倍、「ウンコ」という言葉を乱発した作品でした。


なにかをモチーフにして作品を作るという体験を初めて行いました。これまではいつも全くの夢想というか妄想というか、それだけでどうにかやりくりして来たのでした。ああ、こういう楽しみ方があるのかと、今作で新たな遊び方を知った気がして、それは大きな収穫です。太宰さんに限らず、いろんなモノコトに出会わなければなぁと強く思います。


今作を作るにあたって、昨年自分が出演した、ナイロン100℃「世田谷カフカ」の、稽古場での試行錯誤を参考にさせていただいたことは、まったくもって否めません。あらゆる点でナイロンには到底及ばぬ我々ですので、せめて、ブルドッキングヘッドロックらしさだけは失わぬよう、だから、いつにも増して「劇団力」というものを考えました。劇団員みんなにそれが伝わっていればよかったのですが、正直、定かではありません。


「劇団力」は、次の12月、10周年記念公演第3弾へとつながる、一つのテーマだと思います。あ、それは作品におけるテーマってことではなく、作るという行為においてのってことです。いつもいつも勝負だと思っていますが、次こそはのっぴきならない勝負になるんだと、想像します。


次は、「インク」とも「太宰」とも違う、また別の作品世界を探し出してお見せいたします。こんなにもいろんなことができる劇団が、今、他にあろうかしら?と思います。


よかったら、コリッチの「Do!太宰」公演情報ページに感想なんぞ書いていただけるとうれしいです。もうすっかり忘れてましたが、コリッチの舞台芸術祭りの最終選考作品だったんですね、今回。よそ様と勝ち負けを競う気は、表面上は無いことにしているので、そんなウソみたいに盛り上がったりはしたくないのですが、やっぱり感想をいただけるのは嬉しいものです。ただそれだけです、ほんと。


うまくいったりいかなかったり、なにかとあるんだと思いますけど、明日からもただひたすらに作る喜びをかみしめて、歩き続けます。明日死ぬのも人生だ、と思って日々生きてますけど、今殺されても困るなぁとも思います。やり残したくはない。


太宰さん、やり残したことはなかったんですか?


ふと思います。というわけで、こんなもんで。じゃあ、また。


命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。(「津軽」(昭和19年))

2010年5月24日 21:52 | コメント (9) | トラックバック

ありがとうございます

ちょっとどうにも落ち着かず、なので全く更新できておりませんが、感想、ありがとうございます。


順調にステージを重ねています。昨日辺りはだいぶいい落ち着きになって来ました。さらによくします。


皆様のお越しを、さらにさらにお待ちしております!

2010年5月20日 14:06 | コメント (6) | トラックバック

現状報告

新潮文庫版「パンドラの匣」収録の「正義と微笑」、新潮文庫版「もの思う葦」収録の全作品を読破。もう、読破を声高に言える時期ではないが。だいぶ前に読破した。あとは、「お伽草子」。これをどうねじ込むか。それをモリモリ考えているのだ、今。


つまり。


今、死線を彷徨うような、そんな時であるということだ。


たぶんこれ、良くも悪くも絶対他に無い作品になると思う。こんな風に太宰治作品をいじった作品が他にあるだろうか。あるいは、こんな風に太宰治的スピリッツで取り組む作品が他にあるだろうか。もしくは、こんな風に太宰治的遊びと混乱に満ちた作品が他にあるだろうか。


無い気がしてならないのだ。


あったらごめん。でもほんとに無かったとしたら、それはとんでもないことだと思うのだ。もう、面白い面白くないじゃない。いや、面白くなくちゃ困るんだが、私は今、こんなの作っちゃってるよ!とほくそ笑みっぱなしなのだ。これをこそ、面白いと思って貰いたい私なのだ。


舞台の上は自由だ。劇団は強力だ。苦しくともやる気いっぱいだ。

2010年5月 1日 01:32 | コメント (10) | トラックバック