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黄金風景

こうもたくさん読んでいると、短編も短編、うんと短いのに出くわすだけで、太宰さんナイス。と思う。


短編です。


昔、太宰さんがいじめていた女中が、大人になり、夫づてに太宰さんに会いたいと言ってくる。しかし、今の自分のダメさ加減を思うと、会えたもんじゃないと思い、太宰さんはとっとと逃げ出してしまう。ところが、太宰さんがこっそり海辺で見かけたその女中さんは、夫と娘に向かって、太宰さんのことを一つも悪く言わないどころか、誇らしげに讃えてみせるのだった。


太宰さん、完敗。果ては、興奮して男泣き。なんともはや、ダメな御人である。

2010年3月19日 23:50

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コメント

太宰氏の人間らしい部分が面白いと思う作品だと思います。
2人とも同じだけの時間を過ごしてるはずなのに女中さんの時間の流れ方と、太宰氏の時間の流れ方が違うところが…何て言えばいいのかな…少し身近に感じるんですよね。
ダメな人だけど、憎めないところが太宰氏の凄いトコなんだと思います。

投稿者 良湖 : 2010年3月21日 17:52

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