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創世記

まずいことになったなあと思った。


どうにも読めない。


ワケがわからないのである。いや、かろうじてわかるのだが、そこはまさにかろうじて、たいそうなエネルギーを労し、ほとほと脳みそが大運動会、さらにはこれ、冬の木枯らし強き二週間は前の過去の読書、案の定、あんなに回路炎上、運動したはずの脳みそ、ほとんど情報受け取れぬまま壊れかけのレイディオ、試験前の一夜漬けのごとく、あるいは始めた次の日にやめた筋トレのごとく、血にも身にもなりがたく、思い出すのもひと苦労、便器の上で小一時間の労苦のごとく「あぅす、ふぅす」のてい、かくてかような、にわか太宰治的文章もて、それとなく行数を稼ぐに至り、お恥ずかしい限り、我ついぞは言わんや、「太宰さん、もうちょっとわかりやすく書いてくんないかな。」


しかたがないのである。この頃の太宰さんは、すっかり薬物中毒であったようで、その症状と戦いながら、おおむね負けながら、周りに当たり散らしたりへこみ散らしたり、そんな案配の中で書いた物なので、もう、しかたがないのである。読む方が気を張って読むしかないのである。


最後、井伏鱒二の家に呼び出され、やぁんわり小言を食らいそうになるエピソードも、実際そんなことがあったかどうかは知らないが、あったこととして書かれちゃった井伏さんも参っちゃっただろうし、なんかたしなめるにもたしなめきれない、一見すっかり平静を取り戻したかのような太宰さんに、でもおまえほんとはヤバいよ、と言えない井伏さんが想像され、やっぱりなんか、しかたがないと思うしかない。


そうなっちゃったもんはしかたがない。それって、恐るべしである。

2010年3月 5日 19:25

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コメント

良かったぁv
私だけじゃなかった。
もう…何が言いたいの太宰氏…と思ったんですけど私だけじゃなくて安心しました。
頭オーバーヒートしちゃって、休み休み一生懸命読んだのに、やっぱり解らない理解出来ない。
誰でもいいから太宰語の翻訳プリーズって感じでした。
…頭が悪いってヤだなって思ってたんですけど、頭のいい浩平さんも解らなかったなら、私の理解力も著しく低下したってわけじゃないですかね…。
同じ感想を持った人が居てくれて良かったです。
…すみません。ちょっと親近感わいちゃいました。

投稿者 良湖 : 2010年3月 9日 20:33

喜安さんがそうなら、私は大抵の太宰作品の意図が最後までは理解できるはずないんです。
ただ、なんとなく私も負の心持でいるときに、
太宰さんの話は身にしみて痛いなぁと、感じます。

と、言うことにしてこの話も読みました。
太宰さんだから深いんだ!!!自己暗示です

退却

投稿者 真優 : 2010年3月 9日 21:11

あまりにわからなすぎて逆に印象に残りますね(笑)
書き手、読み手共にキツイ・・・。
わからないなぁと思いつつ、ついつい3回も読んでしまいました。
しかし慣れてないせいか、カタ仮名書きって読みづらいなぁ・・・。
しかたがないか(笑)

投稿者 りか : 2010年3月10日 02:40

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