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帰去来/故郷

「帰去来」と「故郷」は、連作のような体になっている。


「帰去来」では、太宰さんがこどもの頃から世話になり続けている、北さんと中畑さんにまつわるエピソードが綴られていて、特に後半では、北さんに連れられて10年振りに故郷に帰るという、太宰さんにとっての一大イベントのことが語られている。


「故郷」では、「帰去来」の翌年、太宰の母が危篤ということで、再び北さんらと故郷へ帰った時のことが描かれている。しみじみと、甘く切ない。そもそも連作のようにするつもりは無かったのかもしれない。


ある程度売れてからの太宰さんの話だ。生活に余裕があると、攻撃性はなりを潜め、どこかセンチメンタルになるのだろうか、また、大切な知人のことを書いているからだろうか、全体にやぁんわりしている。


また、他の作家さんをたくさん知っているわけではないから極端なことは言えないが、やっぱり、自分のことを書きたい人だなぁと思う。北さんと中畑さんはこういう人だ、そして私はダメだ。と、私に辿り着く。


しかたのない人だなぁと思う。

2010年1月30日 16:04

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コメント

お疲れ様です。この2作は読んでないなあ。明日早速、書店に行くべし!
今日はポカポカ日和で、表参道の街路樹も空に向かって、ムクムクと芽を出しそうな風貌でした。
ビールとキムチ鍋を用意して予約していたテニプリフェスタを鑑賞。あははははははは!喜安さん、相変わらず楽しい!なんだか嫌なことも吹き飛んで、明日も頑張ろう!明後日からまた仕事頑張ろう!という気になりました。
先日の舞台でも楽しい思いをさせていただきましたが、またもや!
ありがとうございます。うふっ。

投稿者 ちょちょ : 2010年1月30日 20:42

今日も(昨日もになるのかな…)お疲れ様でした。
故郷は大好きな話です。
大事な人、一緒に居たい人、一緒に居ると信じてた人、居ることが当然だと思ってた人、失えない人…皆居ると思います。
北さんに半依存状態になってる太宰氏のダメさ加減、北さんと中畑さんが居ないと家族とすら向かい会えない弱さ、それでも失えないもの・大事なモノを足掻いてでも守ろうとする強さ…スゴいなと思いました。
私なら向かい合えたかなと考えたら正直難しいかも知れません。
だけど、太宰氏は本当に人間らしい人だったんだなとつくづく思いました。

昨日は浩平さんにとって楽しい1日になりましたか?
今日が浩平さんにとって素敵な1日になるように願ってます。

投稿者 良湖 : 2010年1月31日 06:23

お疲れさまです!

本は三文字目あたりですぐ眠くなるので、何か尊敬します!!

メロスだけは中学か高校生あたりに読んだ記憶があります。人間失格も背伸びするために学校で無駄に読んだ記憶があります。内容がわかるわけもなく、ただ、まわりに頭が良さそうだなって思わせるためでした。

今なら物語とか頭に入りそうです!

私も太宰作品ちゃんと読もうと思います。


投稿者 あひる : 2010年2月 1日 08:07

喜安さんこんにちは。
帰去来、故郷を読んでみました。優しい趣のある作品ですね。
北さん中畑さんを介して、何とか上昇したい太宰さんが切なく感じます。
最後の方で、北さんに私はお役御免らしき事を言われ、動揺する太宰さんはまるで捨てられた子犬(笑)。
とても世話がかかる太宰さんですが、二人がここまでしてくれるというのは、太宰さんに何かせずにはいられない人間的魅力があるからなのかもしれないですね。

投稿者 りか : 2010年2月 1日 14:41

はじめまして^^初めて書き込みします!!

いつもお疲れ様ですっヽ(´▽`)ノ
舞台を見に行きたいのですが大阪住みなので
なかなか行けないんですよねー泣

そこでオンラインショップでDVDを
注文してみました!!ですが2週間くらい
たってるんですがまだ届いてないという…

届くのを待っています><

喜安さんこれからもお仕事がんばってください!
私も勉強がんばります汗

投稿者 白 : 2010年2月 2日 01:18

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