3月12日 冴えわたる演出 しっくりくる配役はこれだ

こんばんは、津留崎です。
稽古が始まって3週間が経とうとしています。その38はこの日、11ページの台本を手にしました。
執筆したのはいくみちゃん。プロットは猪爪さんです。
先日の進捗報告で報告した登場人物をふまえ、前日の稽古までこんな配役でした。

・林田クミコ(37)…はしいくみ/猪野の夢に共感しサークルに参加
・猪野コウスケ(34)…猪爪尚紀/鳥人間サークルの発起人
・猪野サチ(37)…和田瑠子/コウスケの妻
・浜岡タケシ(38)…岡山誠/最近引っ越してきた
・浜岡ヤスエ(38)…藤原よしこ/タケシの妻
・内場レイジ(39)…竹内健史/みんなのまとめ役
・内場フユコ(32)…津留崎夏子/レイジの妻
・轟ユウジ(32)…河西裕介/彼らを取材しに来た

稽古の冒頭、喜安さんからお互いの関係性を話し合ってみてはという提案が。
この記事にある台本を参照いただきながらこの先を読んで貰えると嬉しいス!)
最近引っ越してきた浜岡さんは設計担当者なのですが
岡山さんが過失を謝る姿はとても真面目な印象が残ります。
ところが、情熱ほとばしる発起人である猪野を演じると、
同じように真面目に喋っているはずなのに、どこかばかばかしさが滲むのです。
では、猪野役だった猪爪さんはどうでしょうか。
発起人の猪野を演じると、どこか夢見るピーターパンのような印象を持つのですが
設計者の浜岡を演じると、「設計書」という一言を発するだけで
「設計書書いてそうだ」という、根拠はないんだけど揺るぎない「しっくり感」があるのです。

俳優さんはどんな役も演じ切る力が必要だとは思いますが、
なんか、そういう正論とは違う線上に、「この人がこの台詞を言うとしっくりくる」
という言葉で説明できない到達点があるような気がします。
喜安さんの『演出』のおかげで、とたんに皆がしっくりきちゃったというわけなのです。
そうして役を変えてみると、これが本当に不思議なんですけど、
会話のスピードが急に上がったんです。パッと華やいだのが誰の目にも見えたと思います。
同じ理由で役を交換した内場・轟も、新鮮さも相まって途端にハマりました。
だからきっと、今日の正解がここに出たんじゃないでしょうか!
と、いうわけで、今後はこの配役で進めてみようということになりました。

・林田クミコ(37)…はしいくみ/猪野の夢に共感しサークルに参加
・猪野コウスケ(34)…岡山誠/鳥人間サークルの発起人
・猪野サチ(37)…和田瑠子/コウスケの妻
・浜岡タケシ(38)…猪爪尚紀/最近引っ越してきた
・浜岡ヤスエ(38)…藤原よしこ/タケシの妻
・内場レイジ(39)…河西裕介/みんなのまとめ役
・内場フユコ(32)…津留崎夏子/レイジの妻
・轟ユウジ(32)…竹内健史/彼らを取材しに来た

遮光婦人はこの8人のお話です。次の進捗には、また新しいことが報告できるのではないでしょうか。
最後に、私がこの日注目した「仮の道具」を紹介したいと思います。
(これまた、この記事にある台本を参照いただきながらこの先を読んで貰えると嬉しいス!)
まずは、このダンボール。たしかいくみちゃんが持ってきてくれたのかな?


これは冒頭のト書きに書かれた
「土や鳥の羽みたいなものが付着し汚れた部品のようなもの」の代わりです。
一生懸命作った羽が壊されたうえ、カラスの羽まで刺さってるんです。ショックですね。
形状や重さを想像しながら扱います。

続いてこちら。

1ページ目の台詞、
「内場  いや〜まさか、あんな所にカラスの巣があるとは・・・。」で
内場が見つめる窓です。この窓から見える場所に、羽の置き場があったわけですね。
稽古場のホワイトボードを裏返しています。当然ですが実際は何も見えません。
想像力が問われますね。

最後はこちら。

これは今公開されている台本には出てきませんが、
浜岡が作成した設計図の代わりです。どんな形状か分からなかったので
とりあえず手持ちのものを…と岡山さんが置いてくれたものです。
全真相か…気になりますね!

稽古を終え、別チームの夜稽古がおこなわれているそばで
みっちり3時間半の打ち合わせをしました。
配役変更に伴う名前や年齢の変更もこまごまと。
ラストシーンまでのプロットを建設、解体、建設、解体を繰り返しました。
そしてようやく、私たちの結論が出たのです。
粗削りかもしれないけど、みんなで考えた結論です。
立ち止まるたび、誰かが言い出したアイデアがそれを助け、
そうやってそれぞれがアイデアを出していきました。
私たちじゃなきゃできなかったことです。すっごくすっごく嬉しかったです。
今度はこれを実現していかなくちゃなので課題は沢山ありますが。
次の進捗をお楽しみにしていてくださいませ。

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コンストラクション ダイアグラム・オーバー ザ ディメンション
~108の、建設と解体を繰り返す未遂の構想について~

2017年4月16日(日)~22日(土)
全12ステージ
@下北沢 小劇場B1