『役に立たないオマエ』公演を終えて

深澤千有紀

深澤千有紀

「公演を終えて」

 かなり困りました、この公演の稽古初期。「高校生を演じる」ことにかなり緊張しておりました。企画が決まったときは「わーい、やってみたーい」なんて軽く言っておったものですが、いざ稽古場で台詞を喋ってもちっともできない。何をどうやっても町内会のおばさんが一人紛れ込んだような状況になってしまうのです。

 おかげで聞き耳をたてることに集中しました。電車の中の中高生たちの話し方、振る舞いを凝視しておりました。プリングルスの凹みを上下合わせて口に入れ「アヒル!アヒル!できたアヒル!」と大声で言い合う女子2人組。「化学28点やばくね?」という男子。模試の結果を夢中で見ててスカートの奥のパンツが丸見えなのに気がつかない女子等々。そのほか自分のアルバム、高校生モノの映画などなど・・・。

 そしてわたしはいろいろ思い出しました。そんな大差ないですね、私が高校生だった頃も今も。恥ずかしいこといっぱいありましたね。なんであんなに自分はみんなとは違うもん!って思ってたんでしょうね。そう思ったら、自分の演じた「生徒会の小俣」さんも、他の登場人物もみんながみんな可愛くて、そしたらとっても楽しくなりました。毎ステージ「今日も可愛くやるぞー」と思ってスタンバイしてました。

 楽しいな、と毎日思えて長い本番をやれたのはとてもうれしいことです。共演者スタッフのみなさまそして足をお運びいただきましたお客様、本当にどうもありがとうございました。