『役に立たないオマエ』出演者名鑑

黒木絵美花

黒木絵美花

「私の○○な友人」

私のビジュアル系ロックバンドマニアな友達。

のりちゃんという隣の席の女の子は、唇の厚さにステキな特徴のある、とてもユニークなゴスロリさんでした。
彼女はいつも何かにつけて面白いことを発見し、ケラケラと笑っていました。
ひょんな事から私と彼女は意気投合し、よく、一緒に笑いあう間柄となりました。
そしてある日、ついに私は彼女とインディーズビジュアル系ロックバンドのライブに一緒に行く運びとなったのです。
集合場所の駅につくと、彼女の友達のビジュアル系仲間が続々と集まってきました。
異文化に触れ、少し興奮気味の私は林家パー子の様に写真をバチバチ撮りまくりました。
のりちゃんの生で見るゴスロリ姿は半端なく、私が今までに街で見かけたことのあるどのゴスロリさんよりも圧倒的に勝っていました。
彼女が一番お気に入りのビジュアル系バンドのライブを見に行くときは、その人自信になりきり完璧なまでのコスプレをして行くので、よく本人に間違われ写真をせがまれたくらいだそうです。
会場に着くと、血みどろの格好をした若者達がうじゃうじゃいて、普通の格好をしていた私は一人完全にういていました。
場所取りに失敗した私達は、前方にいる全く見えないバンドボーカルの叫びと振動を胸で受けつつ、スーパーハードスプレーで高らかに立ち上げられた赤い長髪の先っちょが前にいる人達の頭上でプルプル揺れ動いている事のみを確認しつつ、頭をグルグルと回しました。
私も一緒に頭を回しつつ、何だか楽しくておかしくて仕方がなかったのですが、周りの人達は真剣そのものでした。
私が爆音のドサクサに紛れて楽しく笑いだすと、隣にいた血みどろの見知らぬ女性から顰蹙の眼差しを受けました。
のりちゃんは一緒に笑ってくれました。

その後の事はよく憶えていませんが、とても楽しい思い出でした。