《2016/3/18版》
物語の舞台は、とある国の軍部に属するサルマン中佐の邸宅。その、柔らかい日差し注ぐ静かな中庭。中佐の部下・シェパードの少佐昇進を祝う、ある日のパーティー。シェパードの同期であるワンダー大尉は、そこで謎めいた美しいメイド・タミナと出会う。
「このスイッチを君に預けよう。君を救うためのスイッチだ」不意に中佐が小さなスイッチを取り出す。中佐の懐には、たくさんのスイッチ・スイッチ・スイッチ…。ワンダー大尉のもとへ渡ったスイッチは、一体どこへ繋がっているのか。
その日から、退屈な毎日が軋みをあげて歪み始める。妻の不要なはずの華美な下着に、メイド達のたわいない雑談に、あらゆる事象に体が疼く。
スイッチだ。全てスイッチのせいだ…。そう困惑する大尉に、妖しく歩み寄るタミナ。その手には、また別のスイッチが握られている。
触りたい…押してみたい…ダメと言われたことをやってみたい!
友情、嫉妬、絶対服従。駆け引きが生む新たな欲望。深みにはまった男達の辿り着く先とは。タミナが抱く、真の目的とは。
緻密にして執拗。静かに穏やかに変態する、健全で卑猥な軍人達の会話劇。降り注ぐ陽の光は眩しく、こぼれた吐息が外に漏れることはない。 耳を澄ますと聞こえてくるのは、隣国のマーチか、それともモーターの微音か。
家族、権力、そして性欲の狭間で、おもちゃのように振れ動く、男達のおかしみと哀しみを目撃せよ!