その41
2017年3月3日
男が拾ったのは本当にオオカミだったのか
【その41】の永井幸子です。
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「演劇の脚本を共同で作る」という初めてのことに年明けからずっと取り組んでおり、全員40代の大人なので穏やかに、でも頭をフル回転させて考えて、ゲストの山崎さん、森戸さんの力もお借りして、脚本にする前の「プロット」が出来上がり、さあこれからト書やセリフを書き始めようというそんな段階までやってきました。
★これまでのその41
★構想や登場人物、あらすじ(進捗)
個人的に残しておきたい事があり、記事を書きます。
オオカミの子はどれくらい犬に似ているのか
プロットには「オオカミの子供」が登場します。舞台上にどうやって動物を登場させるのかも考えなければなりませんが、その前に考えたいこともまだたくさんあります。
男が山で子犬を拾い、子犬を見た同級生の女が「犬じゃない」「オオカミだ」と言い出す事から物語が大きく展開します。その後「オオカミの子供」は大人たちを大きく振り回し、最後まで物語をひとつの線で繋ぐ大事な役目を果たす予定(?)なのです。
オオカミの子ってどれくらい犬に似ているものなんでしょうか。子犬だと思ったらオオカミだったというのはそもそもあり得るんでしょうか。あまりにオオカミの事を知らなかった私は、少し前に「オオカミの子供」を(ネットで)調べてみました。
オオカミの子供(著作者: Tambako the Jaguar)
可愛い。
似てた。もし男が拾ったのがこんな子だったなら、きっと子犬だと思うでしょう。よく見ると毛の感じに特徴があり、見る人が見れば「犬ではない」と思うのかもしれず、こういう事から動物好きの女が「オオカミの子かもしれない」と気づくのかもしれません。(篠原さんから私にまったく同じ写真が送られてきたのは余談です)
日本にはもういない野生のオオカミ
日本にはもともと北海道・樺太に住む「エゾオオカミ」と本州・四国・九州に住む「ニホンオオカミ」の2種類のオオカミがいて、ニホンオオカミは1905年、エゾオオカミは1896年を最後に歴史からいなくなりました。絶滅してしまったのです。(Wikipedia参照)
環境庁によると、50年間生きている形跡が見られなかった場合に「絶滅」とするらしく、実は本当に「絶滅」したのかどうかを確認するのは正直難しいんだそうです。ただ姿を見ていないだけだから。だから「絶滅」したはずなのに後に発見される動物というのが稀にいて、大騒ぎになったりします。となると日本のオオカミも実はまだ生きている可能性がゼロでは無いんですね。実際オオカミの「姿を見た」という情報や「声を聞いた」という情報もあり、絶滅したとされているけれど、人知れず子孫を残して生き続けているのかもしれないのです。「オオカミかもしれない」という背景にはこんなロマンがあります。もし本当にオオカミだったとしたら、、。
男が拾ったのは本当にオオカミだったのか
我々のプロットでは、今のところ「オオカミではなかった」という事になっています。(少なくとも女にとって)ロマンの象徴であった存在が、そうではなかったという訳です。この辺りは物語のテーマに深く関わるのでまた改めて記したいところなのですがひとまず、つまり男は、写真のようなオオカミの子供に「とてもよく似た子犬」を拾ったという事になります。女が「オオカミだ」と言い、男たちが信用するだけの外見をもった、そんな子犬を拾ったのですね。(何犬なんだろう、、。)
こんな事を調べたり考えたりしながら、行きつ戻りつして、進んでいます。
「世界や日本におけるオオカミの再導入計画について」「ハイブリッドウルフについて」「ラジオ番組について」(アニマル情報番組「アニマルパラダイス(仮)」をリアリティのあるものにする為に)などなどまだ調べてゆきたい事もたくさんあります。こういう作業は私はとても楽しいです。
上演まであと44日。
劇団先行予約のお知らせ
3月4日0時(つまり3月3日深夜24時)〜3月5日深夜24時
オンラインにてどなたでもご予約頂けます。いち早くお席を確保できますので是非ご利用ください。ご予約お待ちしています。
詳細、ご予約→http://www.bull-japan.com/stage/108/
(記録:永井幸子)
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ブルドッキングヘッドロック Extra number
コンストラクション ダイアグラム・オーバー ザ ディメンション
~108の、建設と解体を繰り返す未遂の構想について~
2017年4月16日(日)~22日(土)
全12ステージ
@下北沢 小劇場B1