【25】と【41】が年を越しました

もっとたくさん書きたいのですが、今ちょっと個人的にのっぴきならないので、ひとまず今日のうちに年だけは越しておこうと思います。

 

20代チーム(昨年中はそう呼んでました)の「どんな仕事来たらオオ!ってなる?」のメモ。

 

葛堂と二見は、早退だったりお休みだったり。皆、答えが簡素です。30代チームより俄然スーンとしてます。そもそもみんな、あんまり喋りません。若いのに、なんて言ったら私がすっかりおじさんだと思われるのでそうは言いませんでしたが、若いのに、と思いました。総じて真面目な印象。私が真面目にさせているのでしょうか?

 

個性は間違いなくあります。高橋は今サイコパスがやりたく、浦嶋はかつて仮面ライダーとか出たかったようですが、今はそうでもないというようなことを言っていました。山田の、ポケモンの主人公は、世代の違いを感じます。ポケモンの主人公はなかなか変わりそうにないので、ポケモンのような系統、ということでしょうか。

 

余談になるとおおいに盛り上がるチームです。それはやはりモチーフに「学生」を選んだからでしょう。誰もが通っているので、どんな形であれ共通の話題は見つかる。し、意外な経験の相違もある。余談であればよく盛り上がります。そこから、核となるものを抽出するのは、だからこそ大変です。真面目か。

 

 

今さら学生ものをやるということ。『役に立たないオマエ』と『とける』を書き、『バットとボール編』を書き、映画で『桐島、部活やめるってよ』と『幕が上がる』を書き、テレビでは『徳山大五郎を誰が殺したか?』を書いた私が、さらに学生を題材に創作することの意義とは。

 

新しい青春群像劇の誕生を、劇団の比較的新しめの仲間たちと模索します。自分のいた場所を、どう相対化するか。どう言語化するか。2013年の『旅のしおり2013』以降、一緒に創作していますが、まだまだ、まだまだ共に作品を作った感じはしていません。「喜安と若者たち」ではなく、喜安を含む9人の劇団員による創作になればと心がけて挑むことを、この日そっと決めました。

 

思えばブルドッキングヘッドロックそのものも、私を含む、9人の仲間で旗揚げされました。今、建設と解体に臨む我々にとって、必然的な、あるいは因縁めいた数字なのかもしれません。

 

一方、旗揚げを知る数少ないメンバーのうちの3人、篠原トオルと永井幸子と私がチームを組む40代チームも、20代チームと同日に最初のミーティングを行いました。

 

彼らにも今さら「やりたいこと」と「興味のあること」を聞きました。むしろこんな企画でもなければ聞けません。永井の「脚本家に書いてもらう」は、よその、ということです。そこで上がったお名前はさすがに伏せます。倦怠期の夫婦がスワッピングを考えるみたいだな、というのは、今思ったことです。

 

 

永井が、登場人物の多い話、壮大な話、と言う一方で、篠原は純度高く3人でと言います。企画自体がオムニバスのようなものなので、我々はその中でさらにオムニバスをやるというのはどうだ?と笑いながら言っていたのも篠原です。はて、この人たちまとまるのでしょうか。

 

興味のあるものが、モーニング娘。や、動物など、日頃ご自身がSNSに放っているそれそのもやないかと思いもしますが、そのソーシャルネットワーク自体に実は興味があったという篠原もいたりします。それ以上聞く気がしなかったので掘り下げませんでした。あと、ファッションて。まさか篠原が、ファッションに興味を持っていようとは、今改めてメモを見て驚いています。聞きながらメモを取っていた時は、なるべく聞き流すようにしていたのでしょう。

 

二人に共通したワードは一つ。『動物』でした。『動物』…。正直、篠原がSNSに垂れ流す、小動物の写真に珍妙な台詞をあててみせる遊びのようなもの(ぜひ彼のアカウントを見てみてください)に、さほど心動かない私なので、そっち方面へ行こうにも私の足が動きません。なので、動物を扱うにしても工夫が必要だな、と内心思っていました。

 

そこでさっそく代替案として出したのが、『ルンバ』でした。ルンバをペットに見立ててはどうか、という、冗談めかした浅めの提案です。冗談めかしたつもりが存外盛り上がりました。そこから少しずつ話は広がり、なら『ドローン』はどうだ?となり、やがて『監視カメラ』の話にたどり着きます。

 

『監視カメラ』という単語に二人がグッときている様子だったので、次回はその辺りをさらに掘り下げることになるのかしら、、、と心に留めたあたりで時間終了。核になるモチーフはまだ見つかっていません。おのおのの宿題、ということになりました。

 

ちなみに『監視カメラ』ですが、のちに発表される【その41】の紹介文には、そのかけらもありません。ここからどうやってあの文章へたどり着くのか。それは今年に入ってからのミーティングをご報告する中で、ご披露いたします。

 

パラパラとまとまりのないものが、一気にまとまっていくその爽快感は、現時点でこの40代チームから一番感じています。当然、人数が少ないことと、ともに創作した年月が長いことがその要因なのでしょうが、それ以前に、モノを創ることについての言語化しきれない共通言語を持っていることが、このチームの強みのように思います。本当にありがたいことです。

 

年内の打ち合わせは以上となります。ようやく年が越せます。では。

 

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ブルドッキングヘッドロック Extra number

コンストラクション ダイアグラム・オーバー ザ ディメンション
~108の、建設と解体を繰り返す未遂の構想について~

2017年4月16日(日)~22日(土)
全12ステージ
@下北沢 小劇場B1