「あいつのせいだ」
かつて、俗に言う青春的な時代、男には友人と呼べる男達がいた。その中に一人、なぜか全てがうまくいくように思える男がいて、ていうか実際なんでもうまくいき、案の定、現在その友人はなんか全てがうまくいっていて、たいそう豊かな暮らしをしているのだという。落ちてる新聞で読んで知った。
どん底な男は考えた。あの時、あの男がうまくいき、自分がうまくいかなかったあの時から、全ての歯車が狂い始めたのだと。全部あいつに持ってかれたのだと。あんのやろう!と。
やがてどん底男の情念は、溜まりに溜まって沼になり、池になって湖になって、やがて時を動かす大河を作りだす。懐かしいあの時代、全てが動き出し、全てがうまくいくはずだったあの時代へと、全てをひっくり返す逆流となって物語は流れ始めるのだった・・・。
うまくいく男とうまくいかない男、そこそこにやってる男にいい女やな女、あらゆる人々のあらゆる思いが時間を越えて錯綜し、ひっくり返ったり返らなかったりしながら「あるべきところ」へと辿り着く騒乱絵巻。成功と失敗と、あとなんか悲喜こもごもがもっちゃり詰まったブル流サクセスストーリーが、秋晴れの空に打ちあがってやがてはキラキラまばゆいお星様になるかならないか知りませんけど、なんせまずは観に来てください。
喜安サクセス浩平

