『とける』出演者名鑑

西山宏幸

西山宏幸

「私の少年な一面」

大人になっても持ち続けていたい少年の心。

数十年前のはるか昔から自分の中に存在し続けてくれているであろう少年の心。

そんな少年の心を探す旅に俺、出ます!

ヘイ!

オママインド!

ナイストリップ!

ボンボヤージ!

クールランニング!!



クールランニング・・・

故障したボブスレーのマシンを担いでゴールを目指すシーン、ケンカ別れしたはずの親父が観に来てて、俺、号泣したなあ、マイベスト映画の100位以内に入れてもいいんじゃないかなあ、


ああっと!寄り道してしまった!上京したての18才の頃に寄り道してしまった!

レッツマトリックス!!

ギュイーン!(心の空間を飛んでいるイメージ)


「そういえば、あれから俺は泣いた事があるのか?・・・」


キュイーン!!(心の空間をさらに早いスピードで飛んでいるイメージ)

キュキュキューン!(体がだんだん子供になっていく、服は今のままなのでブカブカだ)

シュパンシュパンーパーン!(さらに子供になっていく、服はどこか行ってしまった、フルチンだ)

ズシューン!(スモークと共に)



・・・ここは、


俺は地元のショッピングモールの中にいた。やたら大きな駐車場のあるパチンコ店の隣にある、地元ではデパート的な存在の人が集まる場所だ。出かける時は100%立ち寄ると言ってもいい。

入り口付近には宝石店があり、店員のおねえさんも輝いて見える。

その向かいには上りのエスカレーターがあり、その横の休憩スポットでは、学生達がおしゃべりをし、買い物に疲れた家族連れが休憩をし、おじいさんはソフトクリームを舐めている。

エスカレーターで2Fに上がるとすぐ左手におもちゃ屋さんがある。

そんな懐かしい場所に俺はいる。

フルチンで立ち尽くしている。


この際フルチンはアリって事にしよう。かわいいもんだ。



女子高生がエスカレーターで2Fにあがっていく。

僕も、僕もおもちゃ屋さんへ行きたいから少し後ろを付いていく。

女子高生が急ぎ足でエスカレーターを上っていく。

スカートがゆれる。ブランコのようだ。

ゆれる、ゆれるよスカート。

んあぁぁぁぁぁ!!!!



・・・ここは、

雑然としたいつもの部屋。いつのまにか日も暮れ、モニターの光が俺の顔を照らしている。

俺は、

なぜかフルチンだ。大人のフルチンだ。



少年の心は、ぼんやりと、でも確かに俺の中にあった。


例えていうなら、


「間接キッス」のような、小さなエロと大きな好奇心。