小島聰

「私の少年な一面」

デジタル式の腕時計をスカウターに見立てて、「戦闘力2000！、3000！、なっ、なにっ！？、4000！！、ぬぉ～、どんどん上がっていく～っ！！」みたいなドラゴンボールごっこに誘ってくる同級生が高校時代にいました。

誘ってくるというか、「ね、ね、立ってるだけでいいから、ちょっとそこでボクの方を向いてじっとしてて」というお願いをしてくるわけです。
で、了承すると彼はサイヤ人だかになり、私が悟空だかになり、で、悟空はスーパーサイヤ人だかになり。

制服の無い高校に学生服で通い、夏も冬も坊主頭で過ごしていたこの同級生。
少年のようでした。本当に少年のようでした。高校生としてはどうかと思うくらい少年のようでした。
それにくらべると私は高校生の時点で既に随分と少年のようではありませんでしたが、30代になった今の私はその高校時代からあまり内面的に変わっていないのです。