いせゆみこ

「私とあの先生」

小学校で３、４年生の時担任だったチエ子先生。あの当時カリスマという言葉があったなら間違いなくそう言われただろう、我々子供から絶大な信頼を得た人だった。算数が大の苦手だった私。学校が終わり夕方、チエ子先生はカギっ子だった私の家に押しかけ家庭教師となり、計算の仕組みを丁寧に教えてくれた。時に夕飯も一緒だった。一昨年、先生は病気で他界された。舞台観に行くからと言ってくれた。そしてまた夕飯を一緒にという願いは、ついに叶えられなかった。