深澤千有紀

「私と家族」

　両親と妹、弟とそのお嫁さん、その子どもが私の家族です。あ、あと「のろ」という名の甲斐犬です。両親と同居しているのはこの犬だけなので、父曰く、のろは「正式構成員」とのことです。私や妹、弟夫婦は「準構成員」もしくは「アンポジ(アンダーポジションの略だそうです)」と呼びます。普段の会話の中で、私の家族では二人称を「君」と呼び、他の人間のことは会話の相手にとってどういう立場なのかで言います。つまり、「君の妹はね」と妹が言うときは「わたしはね」という意味であり、「君の弟はね」と弟が言うときは「僕はね」といった意味になります。これはよく使うのでフツーのことなのですが、やはり他人からするとどうもオカシいことのようですね。私も自分のことを弟妹には「姉さんはね」と言います。

　微妙な距離の家族です。仲は良いですが、恋愛の話、深刻な話、そして本当に心で思ってることは一切言いません。楽しい話しかしません。

　よその家族のことは知りませんから、これが家族というものだと私は思っております。最近ではブルのみんなが家族のように思えてきて、自分の本当の家族と同じく、深刻な話や本当に思ってることをますます言えなくなってきました。最近、劇団員同士で恋愛の話とかするのが本当に恥ずかしく思えてしょうがないです。

　というわけでですね。ブルのみんな、私はみんなのことを家族のように思ってますからね。……片思いなんでしょうけれど。