私たちは現役だ

気に入っていろんな人に見せている写真です。運転席の喜安さん、助手席の森戸さん、後部座席の篠原さん、永井、山崎さんです。高級車の設定です。

【その41】の永井です。脚本を解体してから数日。元気を取り戻した篠原さんと共に、皆で稽古をしています。まだ完成はしていません。長きに渡る脚本開発。今は喜安さんがプロットを台詞にしてくれています。

4月4日には通し稽古を公開するイベントがあり、これはなかなかに痺れるスケジュールです。しかし【その41】の面々は大人なので、誰も不安を口にしません。

大人なのでと書きましたが、それはこれまでにたくさん経験してきたからという事なんでしょうか。ゲストの森戸さんも山崎さんも、いつも優しく楽しいのです。本当に。これまでに、どんな修羅場をくぐってきたというでしょうか。

大人ってなんでしょうか。
今回の我々のテーマのひとつは「子供じみた大人」でありました。「子供じみた大人の、遅れてきたスタンド・バイ・ミー」と私は勝手に煽り文句を頭に描いていた時期がありました。私のなかで、それには少しだけ感傷的な、ノスタルジックな要素が含まれていました。懐かしい同級生に再開し、当時のノリを思い出し、一瞬昔に還ったかのようにはしゃいで、ふと現実に戻り、大人なので当たり前のように今の生活に戻っていく。そんな、大人の切なさみたいなものを、私は当初想像しました。それから何度も会議をしました。

さて今日、新たなシーンの台本が出来上がり、本を持ちながらすぐに立ち稽古をしました。今日私は、ずっと脚本上の課題であった「女は何者か」という問いの答えを、はっきりとした言葉で胸に刻んだのであります。私は何者か。

そうです動物探偵です。

動物探偵。そこには、ノスタルジックな要素はありません。問題解決の為に、前進する姿がそこにはありました。私たちの脚本開発は、そこにたどり着いたのだなと実感しました。

私たちは、現役である。
感傷にひたっている場合ではなかったです。下見、見に来てください。不安は口にしません。


公開通し稽古(ワークインプログレス)『下見』詳細

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ブルドッキングヘッドロック Extra number

コンストラクション ダイアグラム・オーバー ザ ディメンション
~108の、建設と解体を繰り返す未遂の構想について~

2017年4月16日(日)~22日(土)
全12ステージ
@下北沢 小劇場B1