高校生取材/中編~気まずい空気のエチュード~

 

さて、発声練習の後は、早速持ってきて頂いた台本の読み合わせに入りました。

 

 

昨年実際にこのメンバー含めて上演されたという、『宇宙船』という作品。作・演出は安保泰我氏。高校生たちが会議をしている場面で、ブルからは平岡さんと山田さんが加わりました。

 

やはり月日が経つと感覚が鈍るのか、本役の人でさえ、皆少しやりづらそうでした。しかしそれを補ってあまりあるほどのフレッシュ感。若々しさ。初々しさ。

 

 

そんな中で突然高校生役を振られた平岡さんと山田さんですが、個人的にはなかなかフレッシュ感があったのでは・・!?い、意外といけるのか高校生役!と思わせてくれました。

 

 

また、これはとても器用な役者以外は必ず通る道だと思うのですが、「動きがぎこちない」問題。私も今でも悩まされます。ここでは人の肩を掴んで移動させる、という動きだったのですが、普段し慣れない動きをいざ台本中でやろうとすると「あれ?どうやるんだろう」というゲシュタルト崩壊が起こることがあります。簡単な動きだとしても、何故か何度やってもうまくいかない。人によって出来ることと出来ないことがあったりして、ある人には「シンプルにこうすればいいだけ!簡単でしょ?」なのが、そのある人も別の動きは苦手だったりして。確かに高校生の頃は、尚更よくあったなぁ・・なんて思い出しました。

 

高校生の皆も、上演当時の感覚を思い出しながら稽古してくれ、「そういえばあんな事件あったよね」なんて話が出てきたりもしました。高校生の感覚を知りたい我々としては、普段のそういったエピソードは非常に興味深い。そこでまたもや無理なお願いを発動しました。その光景を、エチュードにしてやってみてくれないか、と。

 

意外にもノリよく快諾して頂けたため、見学していた浦嶋くんをも加え、そのエピソードのエチュードへと入りました。

 

時はこの『宇宙船』という作品の稽古の最中。作・演出の安保氏が、必死に作品を向上させようと、しばし台本に向き合っていました。

 

しかしその僅かな時間を休憩と捉え、役者陣は一斉に携帯電話を見始めます。

「よし!」と安保氏が改善点をまとめて顔を上げると、だらけた姿の部員たちが目に入りました。安保氏はこの時間を休憩にしたつもりはありません。

 

 

やる気がないなら、もういい。上演を取り止めよう。作・演出家の怒りに触れ、さーっと静まり返る役者陣。2年生の小島氏を始めとして何とか取りなそうとするも、効果はなく安保氏はそのまま部室を出ていってしまいます。

 

その場に取り残された、非常に気まずい面々。どうしよう。もし本当に上演中止になったら・・。いや、それだけは避けたい・・。ブルメンバーもこの表情。入り込んでます。

 

 

何も知らずに部室にやってきたのは古山氏。実は一番気まずいポジションだったかもしれませんね。

(目を瞑ってしまっていたのでトリミングしました・・!すみません)

 

その後、各々反省の意を表しつつ、作・演出家と役者は和解。振り返れば、安保氏としては、本当に上演中止にするもりはなく、活を入れるための行動だった、と言うことでしたが。

 

 

堪りません。この何とも言えないヒリヒリ感。こういったことは何も高校生や部活に限らず色々な場面で起こる可能性があるわけですが、何というか、より素直さを感じます。怒る方も聞く方も、誤魔化したりということをあまりせず、反省すべき点は素直に反省する。何より、当初の目的を見失わない。

 

 

本当に、無理言ってすみませんでした。とても有意義でした!

 

さてさて、いよいよ色々な意味で盛り上がった後編に続きます!

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コンストラクション ダイアグラム・オーバー ザ ディメンション
~108の、建設と解体を繰り返す未遂の構想について~

2017年4月16日(日)~22日(土)
全12ステージ
@下北沢 小劇場B1